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一般粉じんとは?種類や特定粉じんとの違いをわかりやすく解説

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「粉じん」という言葉は耳にする機会があっても、その分類や規制上の違いまで正確に理解している方は意外と少ないのではないでしょうか。
粉じんは法令上いくつかのカテゴリに分けられており、それぞれ求められる対策や規制の厳しさが異なります。
本記事では、一般粉じんの定義や主な種類を整理したうえで、特定粉じんとの違いや現場で押さえておきたい基本的な考え方を解説します。

一般粉じんの基本

まずは一般粉じんがどのように定義されているのか、その位置づけを確認しておきましょう。

定義と粉じんの分類上の位置づけ

粉じんに関する法令上の分類は、大きく2つの法律にまたがっています。
一つは労働安全衛生法に基づく粉じん障害防止規則で、もう一つは大気汚染防止法です。
それぞれの法令で「一般粉じん」「特定粉じん」という用語が使われていますが、指す内容が異なるため注意が必要です。

粉じん障害防止規則では、粉じんが発生する作業を「粉じん作業」と定義し、そのなかで屋内において固定した機械や設備を使用して行う特定の作業を「特定粉じん作業」と区分しています。
特定粉じん作業以外の粉じん作業が、いわゆる一般的な粉じん作業にあたります。

一方、大気汚染防止法では、人の健康に被害を生じるおそれのある物質を「特定粉じん」とし、現在は石綿(アスベスト)が指定されています。
それ以外の粉じんは「一般粉じん」として区分されています。
本記事では主に、製造現場で日常的に発生する粉じんを「一般粉じん」として取り上げます。

発生源となる主な作業

一般粉じんが発生する作業は非常に多岐にわたります。
粉じん障害防止規則の別表第一には、粉じん作業に該当する具体的な作業が列挙されており、その数は20種類以上にのぼります。

代表的なものとしては、鉱物等を掘削・破砕・ふるい分けする作業、金属を研磨・溶射する作業、粉状の原料を袋詰めしたり混合したりする作業などが挙げられます。
製造業に限らず、建設業の解体・はつり作業や、農業における穀物の取り扱いなども一般粉じんの発生源となり得ます。

主な種類

一般粉じんは発生源となる素材によって性質が大きく異なります。
ここでは代表的な3つのカテゴリに分けて、それぞれの特徴を確認します。

鉱物性の粉じん

石材、砕石、セメント、石灰などの鉱物資源を加工・運搬する際に発生する粉じんです。
建設現場でのコンクリートはつりや、鉱山での掘削作業が代表的な発生源になります。

鉱物性の粉じんのなかでも、遊離けい酸を多く含むものは特に注意が必要です。
遊離けい酸の粉じんを長期間吸入すると、けい肺と呼ばれる重篤なじん肺を発症するリスクがあります。
そのため、遊離けい酸を含む粉じんが発生する作業場では、作業環境測定における管理濃度がより厳しく設定されています。

金属性の粉じん

金属の切削、研磨、溶接といった加工工程で発生する粉じんです。
鉄、アルミニウム、銅、ステンレスなど素材は多様で、それぞれ異なるリスクを持っています。

金属性の粉じんに共通する特徴として、粉末状になると酸化しやすくなる点があります。
素材によっては爆発や発火のリスクもあるため、粉じんの管理だけでなく、集塵後の回収物の保管・廃棄にも配慮が求められます。
各金属の具体的な性質やリスクの違いについては、金属粉に焦点を当てた別の記事で詳しく取り上げています。

有機性の粉じん

木材の加工で生じる木粉、穀物の搬送や加工時に発生する穀物粉じん、繊維の裁断や紡績で生じる繊維くずなどが有機性の粉じんに分類されます。
食品工場での原料粉体の取り扱いや、製紙工場での工程も発生源の一つです。

有機性の粉じんは鉱物性や金属性に比べてじん肺のリスクは低いとされていますが、アレルギー性の呼吸器疾患を引き起こす可能性があります。
また、木粉や穀物粉は可燃性が高く、浮遊濃度が一定以上になると粉塵爆発の危険性が生じるため、換気や清掃による濃度管理が重要です。

特定粉じんとの違い

粉じん障害防止規則では、粉じん作業のなかでも特に粉じん濃度が高くなりやすい作業を「特定粉じん作業」として区分し、より厳しい措置を求めています。
ここでは、その具体的な違いを確認します。

特定粉じんに該当する代表例

特定粉じん作業とは、粉じん障害防止規則の別表第二に掲げられた特定粉じん発生源で行われる作業を指します。
具体的には、屋内において固定した機械を使用して行う鉱物の破砕やふるい分け、研磨材を用いた金属の研磨やばり取り、鋳物の型ばらしや砂落としなどが該当します。

これらの作業は、屋内で継続的に大量の粉じんが発生しやすいという共通点があります。
トンネル建設工事に関連する坑内作業も特定粉じん作業に含まれており、発生源の特性に応じた対策が法令で細かく定められています。

健康影響や規制面での違い

一般的な粉じん作業と特定粉じん作業では、事業者に求められる措置の水準に明確な差があります。
一般的な粉じん作業に対しては、全体換気またはこれと同等以上の措置が求められるのに対し、特定粉じん作業では局所排気装置やプッシュプル型換気装置の設置が義務づけられています。さらに、一定の特定粉じん発生源については除じん装置(集塵機)の併設も必要です。

健康管理の面では、いずれの粉じん作業でもじん肺健康診断の実施が求められますが、特定粉じん作業ではばく露濃度が高くなりやすい分、作業環境測定の結果によっては速やかな改善措置が必要となります。
このように、特定粉じん作業はリスクの高さに応じて、設備・管理の両面でより手厚い規制が設けられています。

取り扱いにおける基本的な考え方

法令上の分類にかかわらず、粉じんを取り扱う現場では共通して押さえておくべき基本があります。

粒径による挙動の違い

粉じんの挙動は粒径によって大きく変わります。
粒径が10μmを超える粗い粒子は比較的早く沈降し、発生源の周辺に堆積する傾向があります。
一方、粒径が10μm以下の粒子は空気中に長時間浮遊しやすく、作業場全体に拡散するおそれがあります。

特に4μm以下の粒子は「吸入性粉じん」と呼ばれ、呼吸器の深部にまで到達するため、健康影響の面で最も注意が必要とされています。
同じ素材の粉じんであっても、加工方法によって発生する粒径は異なるため、工程ごとに粒径の傾向を把握しておくことが対策を検討するうえでの基本となります。

作業環境管理の基本

粉じんによる健康障害を防ぐためには、「発生させない」「拡散させない」「吸入しない」という3つの原則に沿って対策を組み立てることが基本です。

まず、発生源の密閉化や湿式化などによって粉じんの発生そのものを抑えることが最優先となります。
発生を完全に防げない場合は、局所排気装置や集塵機を活用して粉じんの拡散を防ぎ、作業者のばく露を低減します。
それでもばく露の可能性が残る場合は、防じんマスクなどの呼吸用保護具を正しく着用して吸入を防ぐことが最後の砦です。

これらの対策は優先順位を持って組み合わせるものであり、保護具だけに頼る方法は根本的な解決にはなりません。
設備面の対策を十分に講じたうえで、保護具を補助的に活用するという考え方を徹底することが大切です。

まとめ

一般粉じんは、鉱物性・金属性・有機性と発生源によって性質やリスクが異なり、それぞれに応じた管理が求められます。
特定粉じん作業との違いは、主に粉じん濃度の高さと、事業者に義務づけられる設備面の措置の水準にあります。

自社の現場でどのような粉じんが発生しているのか、その粉じん作業が一般粉じん作業と特定粉じん作業のどちらに該当するのかを正しく把握することが、適切な対策の出発点となります。
法令で求められる措置を確認しながら、作業環境の改善に取り組んでいきましょう。

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