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パーティクルとは?製造現場での影響や種類・対策方法をわかりやすく解説

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パーティクルとは、空気中や製品の表面に存在する、ごく小さな異物や粒子の総称です。
半導体工場や精密機器の製造現場では日常的に使われる言葉であり、目に見えないほど小さくても製品品質に大きな影響を及ぼします。

本記事では、パーティクルの基礎知識をはじめ、主な発生源や製造現場への影響、具体的な対策方法までをわかりやすく解説します。

パーティクルの基礎知識

まずは、パーティクルの具体的な定義と、製造現場で重要視される背景を確認しましょう。

パーティクルとは

パーティクルとは、空気中や製品の表面にある微小な粒子のことです。
ホコリや繊維くず、金属粉、花粉、微生物など、さまざまなものが含まれます。
粒子の大きさは数マイクロメートル(1マイクロメートルは1,000分の1ミリメートル)からナノメートル(1ナノメートルは100万分の1ミリメートル)単位まで幅広く、多くは肉眼では確認できません。

日常生活では気にする機会はほとんどありませんが、精密な製造工程では、ごく小さな粒子でも製品不良の原因になります。
そのため、製造現場では重要な管理対象の一つとされています。

半導体や精密製造で重要視される理由

半導体製造では、回路の微細化が年々進んでいます。
回路の線幅がナノメートル単位になると、それより大きいパーティクルだけでなく、さらに小さな粒子でも回路の断線やショートを引き起こしかねません。
そのため、半導体工場では空気中の粒子をできる限り減らしたクリーンルームで製造が行われています。

また、液晶パネルや精密機器、医薬品、食品など、精度や衛生管理が求められる業界でもパーティクル管理は重要です。
目に見えない粒子を適切に管理すると、製品の品質や安全性を安定させることができます。

発生源ごとのパーティクルの種類

パーティクルが発生する原因は1つだけではありません。
発生源によって性質が異なるため、有効な対策も変わります。
まずは、どこから発生するのかを理解しておきましょう。

作業者や衣類から発生するホコリ

製造現場において、作業者自身もパーティクルの大きな発生源です。
皮膚のフケや髪の毛、汗、呼気に含まれる微粒子に加え、着用している衣類から出る繊維くずも含まれます。
人が歩いたり、腕を動かしたりして衣類がこすれるだけで、目に見えないほど小さな繊維が空気中へ大量に舞い上がります。

こうした人由来のパーティクルを抑えるため、クリーンルームでは専用の防塵衣や手袋、マスクを着用します。
発塵しにくい素材や構造のウェアを使用することで、空気中へ放出される粒子を大幅に減らすことが可能です。

装置の摩擦によって発生する金属粒子

製造装置もパーティクルの発生源になります。
ベアリングやモーター、搬送機構などの可動部分では、部品同士の摩擦によって微細な金属粉が発生します。
また、潤滑油の劣化や部品の摩耗が進むと、発生量が増える場合もあります。
そのため、定期的な点検やメンテナンスが有効です。

金属パーティクルは人由来の粒子より硬いため、製品表面に付着すると傷や欠陥につながるおそれがあります。
装置の稼働状況を日頃から確認し、部品の摩耗や異常がないか点検すると、発生を抑えられます。

外気に含まれるホコリや微生物

工場の外から取り込まれる空気にも、さまざまなパーティクルが含まれています。
代表的なものとして、土ぼこりや花粉、排気ガスの中の微粒子のほか、細菌やカビの胞子といった微生物が挙げられます。

換気や人の出入り、資材搬入などのタイミングで、外気に含まれる粒子が施設内に持ち込まれるケースは少なくありません。
季節や天候によって外気中のパーティクル濃度は変動するため、フィルターの性能や換気計画を状況に応じて見直す工夫も求められます。

現場への影響と清浄度の管理

パーティクルは、製品の品質だけでなく生産性やコストにも直結します。
ここでは、製造現場で起こり得るリスクと、空間の清浄度を数値で管理する方法について解説します。

不良や歩留まり低下のリスク

パーティクルが製品に付着すると、外観不良や機能不良の原因になる場合があります。
たとえば、半導体では回路のショートや断線、液晶パネルでは表示ムラなどの不具合が発生する可能性があります。
こうした不良が検査工程で見つかれば、廃棄や再加工のコストが発生し、出荷後に判明した場合はクレームやリコールにつながってしまいます。

また、歩留まり(生産した製品のうち、良品として出荷できる割合)の低下も課題の一つです。
歩留まりが下がると、原材料や工数のロスが増え、製造コストも増加します。
そのため、多くの製造現場ではパーティクル対策を品質維持のための取り組みとして 進めています。

クリーンルームの規格と等級

パーティクルを抑えた環境で製造を行うために使用されるのが「クリーンルーム」です。
クリーンルームの清浄度は、国際規格であるISO 14644-1に基づいてクラス分けされています。

等級は、1立方メートルあたりに含まれる一定サイズ以上の粒子数によって決まり、数字が小さいほど清浄度が高いことを示します。
半導体の先端工程では、ISOクラス1桁台という非常に高い清浄度が求められるケースがあります。

一方、医薬品工場や食品工場では、製品の特性や製造工程に応じて、必要なクラスが異なります。
すべての現場で最高レベルの清浄度が必要というわけではなく、用途に適した等級を選ぶことが大切です。

パーティクルカウンターによる測定

クリーンルームの清浄度を維持するには、空気中にどれだけのパーティクルが存在するのかを定期的に確認する必要があります。
その際に使用されるのが、パーティクルカウンターと呼ばれる測定機器です。
パーティクルカウンターは、一定量の空気を吸い込み、光散乱方式などを用いて粒子の数や大きさを測定します。

測定結果を継続的に記録すると、清浄度の変化を数値で把握できるため、異常の早期発見につながります。
また、記録したデータは品質保証を裏付ける資料として活用されることもあります。

パーティクル対策の4原則

パーティクル対策には、製造現場で広く取り入れられている基本的な考え方があります。
それが、「持ち込まない」「発生させない」「堆積させない」「排除する」という4つの原則です。
それぞれを組み合わせることで、パーティクルによる影響を抑えやすくなります。

外部から持ち込まない

まず取り組みたいのが、外部からパーティクルを持ち込まないことです。
人の出入りでは、エアシャワーや更衣室を設け、防塵衣に着替えてから入室する運用を行います。
資材や部品も、搬入前に洗浄や梱包材の除去を行い、外部で付着した汚れを室内へ持ち込まないようにします。

また、出入り口の数を必要最小限にしたり、前室を設けたりすることも有効です。
人の動線と資材の搬入経路の両方を考慮して運用することが、持ち込みの抑制になります。

内部で発生させない

次に大切なのが、施設内で新たなパーティクルを発生させないことです。
「作業者の不要な動きを減らす」「装置の摩擦を抑えた設計を採用する」「発塵しにくい素材を使用する」など、発生源そのものを減らす工夫が行われています。

また、作業手順を見直すことも大切です。
急な動作や不要な接触を避けるだけでも、パーティクルの発生量は減らせます。

内部に堆積させない

発生したパーティクルを室内にとどめないこともポイントです。
空気の流れを一方向に保つ気流設計を採用すると、微粒子が滞留しにくくなり、堆積を抑えられます。
天井や壁、床に粒子が付着しにくい材料を使用することも効果があります。

加えて、定期的な清掃も重要な取り組みです。
清掃の頻度や手順を標準化しておくと、担当者が変わっても一定の清浄度を維持しやすくなります。

速やかに排除する

発生したパーティクルは、製品や作業エリアへ広がる前にできるだけ早く排除します。
そのため、換気システムや排気設備を適切に配置し、粒子を効率よく室外へ排出できる環境を整えます。

パーティクルは、発生源に近い場所で取り除くほど効果的です。
そのため、装置や作業エリアごとの特性に合わせて排気設備を配置し、空気の流れを考慮した設計が行われています。

設備面での具体的な除去方法

パーティクル対策の4原則を実践するには、設備面の工夫も欠かせません。
ここでは、製造現場で広く採用されている代表的な除去方法を紹介します。

高性能フィルターによる空調

クリーンルームの空調には、HEPAフィルターやULPAフィルターといった「高性能フィルター」が使用されています。
これらのフィルターは、非常に小さな粒子まで捕集できるため、清浄度の高い環境を維持するうえで大きな役割を担っています。

また、天井からクリーンな空気を送り込み、床面から排気する「垂直層流方式」は、多くの半導体工場で採用されている空調方式です。
空気を一定方向へ流すことでパーティクルが空間内に滞留しにくくなり、製品への付着を抑えられます。

局所排気や集塵機の活用

施設全体を高い清浄度に維持するには、多くの設備や運用コストがかかります。
そのため、パーティクルが発生する装置や、作業エリアだけを局所的に集塵・排気し、周囲への拡散を防ぐ方法も広く採用されています。

集塵や局所排気は、発生源の近くで粒子を捕集できるため、効率よくパーティクルを除去できます。
施設全体の空調と組み合わせることで、コストと清浄度のバランスを考慮しながら、製造環境を整えられます。

まとめ

パーティクルは目に見えないほど小さな微粒子ですが、製品に付着することで歩留まりの低下や不良品の発生といった大きな問題を引き起こします。
特に、製品の微細化が進む現代の製造業において、微粒子の管理は品質と収益を維持するための課題となっています。

製造現場では「持ち込まない」「発生させない」「堆積させない」「排除する」という4原則を徹底することが対策の基本となります。
作業者の運用ルールを徹底しつつ、高性能フィルターによる空調や局所的な集塵設備を適切に組み合わせることで、クリーンな環境を安定して維持できるでしょう。

まずは自社の現場において、どこからどのようなパーティクルが発生しているのか、現状を正しく把握することからはじめてみてください。
適切な管理と改善活動を積み重ねていくことが、製品品質の向上とトラブルの未然防止につながります。

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